ドロガー(Drogger RWS等)は、移動局だけでなく自前の固定基準局(民間電子基準局)としても運用できます。機材・設置手順・基準局位置の決め方・Drogger Ntrip Casterでの配信、さらに国土地理院「民間等電子基準点」への登録と、設置の実録(記録テンプレ・写真枠)までをまとめました。
上から順に進めます。押すと、その説明へ移ります。
RTKには「補正データ(RTCM)」の発信元=基準局が必要です。これを自分で用意し、既知点に固定して常時運用するのが自前基準局(民間電子基準局)です。近くに使える基準局が無い地域でも、自分の移動局に安定した補正を送れます。
| もの | ねらい・ポイント |
|---|---|
| ドロガー受信機(RWS等) | 基準局モード・NTRIPサーバー機能に対応する機種。 |
| アンテナと設置場所 | 上空が開け、マルチパスの少ない安定した場所。屋上・ポール等に強固に固定。グランドプレーンがあると安定。 |
| 既知点/正確な位置 | 基準局の座標を正しく与えるための位置情報(後述の3方式)。 |
| 常時電源 | 連続運用のための電源(ACアダプタ等)。 |
| ネット接続機器 | WiFiアクセスポイント/ルーター/LANケーブル等。RWS-WBASEはWiFi AP経由で接続。 |
| 設定用の端末 | 設定・確認を行うスマホ/PC。 |
基本の流れです。各工程に写真枠を付けているので、実際の設置写真を差し込めば、そのまま手順書+実録になります。
1Hz にします。この工程の写真を入れる基準局の精度は、与えるアンテナ座標の正確さで決まります。メーカーのマニュアルでは、次の4通りが示されています。
| 方式 | やり方 | 精度・向き |
|---|---|---|
| サーベイイン(自動) | 単独測位で位置を平均し、決めた時間がたつか、ばらつき(標準偏差)が基準に入ったら、自動で基準局に切り替わる | 手軽。RWSシリーズのみ(RZSは非対応) |
| 単独測位を手で記録 | アンテナを据えて5分以上待ち、単独測位の値を点(Waypoint)として記録し、それを基準局の位置に選ぶ | 手軽だが精度は低め。自分の移動局だけで使う相対的な用途向け |
| スタティック観測 | 生データを記録し、複数の電子基準点と結んで三次元網平均で座標を求める(Drogger Processor) | 高精度・推奨。国家座標に合わせるならこれ |
| 既知点に据える | 座標の分かっている点にアンテナを据え、その座標を点(Waypoint)として手で入れておく | 既知点の精度しだい |
メーカーのマニュアルにある基準局の設定を、操作の順に並べました。画面の名前はアプリの版で少し変わることがあります。
上の「4方式」のどれかで決めます。国家座標に合わせて人にも使ってもらうなら、スタティック観測で求めた座標を使います。
ntrip1.bizstation.jp・ポート 2101)にします。基準局には8桁のマウントポイントが付き、移動局はこれを指定して受け取ります。NEAR-ALL(すべての局)/NEAR-FIXED(1日以上続けて動いている局)/NEAR-TRUST(国家座標との整合が確かめられた局)。実際の設置と設定の画面を、順に並べています。
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12国土地理院は、GNSS連続観測点(民間の電子基準点)の仕様・基準を統一するため性能基準を定め、2020年(令和2年)4月から「民間等電子基準点の登録制度」を開始しました。登録された局は座標が国家座標系に整合していることが確かめられ、誰もが安心して位置情報に使えるようになります。
性能に応じて A級・B級・C級 に区分して登録されます(例:2022年9月時点で A級36点・B級19点・C級8点)。国土地理院「民間等電子基準点の性能基準及び登録要領」(令和6年7月改正)の主な要件は次のとおりです。
| 項目 | C級 | B級 | A級 |
|---|---|---|---|
| 設置環境(共通) | 構造による動きが無い/上空が開け、アンテナが他の構造物や地面から1m程度以上離れ、近くに電波の妨げが無い/強風・雨に耐える/地盤が強固で、傾斜地・盛土でない/建物の上ではボルト等で架台を固定 | ||
| 設置環境(追加) | ― | 架台を溶接・埋め込みボルト等で直接固定/いたずら等の対策 | B級の条件+土砂災害・津波の特別警戒区域を避ける/架台はステンレス・コンクリート等/瞬間的な停電の対策/凍上対策/地震等で動かないこと |
| アンテナ・受信機 | 1級GNSS測量機、または国土地理院が別に定める基準を満たすもの | 国土地理院に登録された1級GNSS測量機。GPS・準天頂のL1・L2・L5、GLONASSのL1・L2、GalileoのE1・E5を受信/落雷対策 | |
| 受信機(共通) | 高度角5度以上の衛星を(見える範囲で)すべて捕捉/GPSのL1+L2 または L1+L5 の搬送波位相を観測/データの取得間隔は1秒が標準 | ||
実際の設置を「実録」として残すためのテンプレートです。下の項目を埋め、各工程の写真(上の手順の写真枠)とあわせてご記入ください。
| 設置日 | 年 月 日 |
| 設置場所 | (住所・建物・屋上/ポール 等) |
| 使用機種 | Drogger( )/アンテナ( ) |
| ネット接続 | WiFi AP/ルーター/回線( ) |
| 基準局位置の決め方 | □単独測位 □他局RTK □スタティック成果 |
| 座標系 | □元期 □今期/成果値(X Y H ) |
| マウントポイント | (8桁) /公開:□あり □なし |
| 動作確認 | Ntrip Status:□送信OK/移動局テスト:□FIX確認 |
| 気づき・課題 | (マルチパス・電源・通信・安定性 など) |