Base Station — Setup & Registration

ドロガーで民間電子基準局を
設置する ― 手順・配信・登録・実録 ―

ドロガー(Drogger RWS等)は、移動局だけでなく自前の固定基準局(民間電子基準局)としても運用できます。機材・設置手順・基準局位置の決め方・Drogger Ntrip Casterでの配信、さらに国土地理院「民間等電子基準点」への登録と、設置の実録(記録テンプレ・写真枠)までをまとめました。

自前基準局Drogger Ntrip Caster民間等電子基準点 登録実録・記録テンプレ
このページの流れ

基準局を据えて、配信・登録するまで

上から順に進めます。押すと、その説明へ移ります。

  1. 1そろえる機材・電源・ネット
  2. 2据えるアンテナの設置
  3. 3座標を決める4つの方式
  4. 4アプリで設定7つの手順(写真)
  5. 5配信を確かめるRunning・Active
  6. 6登録する国土地理院 A・B・C級
はじめに本ページは公開情報をもとにした一般的な手引きです。機材構成・手順・登録制度は変わります。実際の設置・登録は、ビズステーション公式マニュアルと国土地理院の最新情報(下部リンク)を必ずご確認ください。
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自前基準局(民間電子基準局)とは

RTKには「補正データ(RTCM)」の発信元=基準局が必要です。これを自分で用意し、既知点に固定して常時運用するのが自前基準局(民間電子基準局)です。近くに使える基準局が無い地域でも、自分の移動局に安定した補正を送れます。

自前基準局ドロガーRWSを既知点に固定・常時運用 Drogger Ntrip CasterRTCMを中継(登録不要・無料) インターネット携帯回線等 移動局現場のドロガー 自前基準局 → Ntrip Caster → インターネット → 現場の移動局
ドロガーRWSを基準局にし、Drogger Ntrip Caster経由で移動局へ補正を配信できる。
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設置に必要なもの

ものねらい・ポイント
ドロガー受信機(RWS等)基準局モード・NTRIPサーバー機能に対応する機種。
アンテナと設置場所上空が開け、マルチパスの少ない安定した場所。屋上・ポール等に強固に固定。グランドプレーンがあると安定。
既知点/正確な位置基準局の座標を正しく与えるための位置情報(後述の3方式)。
常時電源連続運用のための電源(ACアダプタ等)。
ネット接続機器WiFiアクセスポイント/ルーター/LANケーブル等。RWS-WBASEはWiFi AP経由で接続。
設定用の端末設定・確認を行うスマホ/PC。

アンテナ設置と常時運用のコツ

📷設置環境・機材の写真枠屋上やポールへの据付、機材一式、ネット機器などの写真を入れてください。
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設置手順(Drogger)

基本の流れです。各工程に写真枠を付けているので、実際の設置写真を差し込めば、そのまま手順書+実録になります。

  1. 設置場所を選び、アンテナを固定上空の開けた、動かない場所へ強固に据え付けます。グランドプレーンがあると安定します。この工程の写真を入れる
  2. 電源・ネットにつなぐ常時電源と、WiFi AP/ルーター/LANでインターネットに接続します。この工程の写真を入れる
  3. 設定を初期化し、レートを1Hzに迷ったら一度デフォルトに。測定・更新レートを 1Hz にします。この工程の写真を入れる
  4. 基準局モードにするRTK設定で、この受信機を Base(基準局) として動かす設定にします。この工程の写真を入れる
  5. 基準局の位置(アンテナ座標)を入力下の「3方式」で決めた座標を入力。単独測位値と大きくズレていないかを確認します。この工程の写真を入れる
  6. Drogger Ntrip Caster を配信先に設定基準局用のキャスターホストを設定し、Drogger Ntrip Caster を使う設定に。RTCMが送信されます。この工程の写真を入れる
  7. 動作確認Ntrip Status で送信状況を確認。移動局から接続してFIXするかテストします。この工程の写真を入れる
Drogger Ntrip Casterビズステーションが運用する中継サーバーで、基準局のGNSSデータを受け取って移動局へ転送します。Droggerユーザーは登録不要・無料で利用できます。他人に使われたくない場合はパスワードを設定できます。
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基準局位置の決め方(3方式)

基準局の精度は、与えるアンテナ座標の正確さで決まります。メーカーのマニュアルでは、次の4通りが示されています。

方式やり方精度・向き
サーベイイン(自動)単独測位で位置を平均し、決めた時間がたつか、ばらつき(標準偏差)が基準に入ったら、自動で基準局に切り替わる手軽。RWSシリーズのみ(RZSは非対応)
単独測位を手で記録アンテナを据えて5分以上待ち、単独測位の値を点(Waypoint)として記録し、それを基準局の位置に選ぶ手軽だが精度は低め。自分の移動局だけで使う相対的な用途向け
スタティック観測生データを記録し、複数の電子基準点と結んで三次元網平均で座標を求める(Drogger Processor)高精度・推奨。国家座標に合わせるならこれ
既知点に据える座標の分かっている点にアンテナを据え、その座標を点(Waypoint)として手で入れておく既知点の精度しだい
座標系に注意基準局に与える座標が元期か今期かで、その局を使った測位結果の座標系も決まります。国家座標系(元期)に合わせるなら、成果側も元期でそろえます(総合ガイドの元期・今期解説)。
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アプリでの具体的な設定(Drogger GPS)

メーカーのマニュアルにある基準局の設定を、操作の順に並べました。画面の名前はアプリの版で少し変わることがあります。

① 簡単設定「RTK基準局」元期・1Hz ② 座標を決める4方式のどれか(推奨:スタティック) ③ ネットにつなぐ受信機の WiFi(2.4GHz のみ) ④ 送り先基準局用キャスターホスト ⑤ 起動設定電源を入れたら基準局で動く ⑥ 動作確認Running・RTCM3キャスターで Active ⑦ 見張り停止の通知メール(約1分の切断で)
①〜④で基準局として送り出し、⑤で電源を入れるだけで動くようにし、⑥⑦で止まっていないかを見ます。

① 簡単設定で「RTK基準局」にする

② 基準局の座標を決める

上の「4方式」のどれかで決めます。国家座標に合わせて人にも使ってもらうなら、スタティック観測で求めた座標を使います。

③ 受信機をネットにつなぐ(内蔵 WiFi)

④ 送り先(基準局用キャスターホスト)を設定する

⑤ 起動設定(電源を入れたら基準局で動くように)

  1. 衛星が受けられる場所で、受信機の電源を入れて Bluetooth でつなぐここまでの設定で正しく動いていることを確かめます。
  2. メニュー「レシーバー」→「起動設定」「現在の設定で起動」を2か所で選んで OK。
  3. 30秒待って、受信機を入れ直す以後は電源を入れるだけで基準局として動きます。アプリには「監視モードで動作中」と出て、設定は送らず状態の表示だけになります。元に戻すときは「デフォルトの設定で起動」。

⑥ 動作確認

⑦ 止まったら知らせる(通知メール)

止まらない運用のコツ(メーカーのマニュアルより)ファームウェアは最新に(4.3.8 以降で自動の再接続がよくなっています)/ルーターで NTRIP(TCP 2101)に5kbps 以上の帯域を確保/WiFi の親機は受信機専用にして近くに置き、電子レンジなど 2.4GHz の機器から離す/USB の電源は専用の口を使う(ほかの口で大きな電流が流れると、受信機の電源が落ちることがある)。通信が切れても受信機は自動でつなぎ直します(パスワードの誤りのときは止まります)。

設定の写真(コントロールの設定)

実際の設置と設定の画面を、順に並べています。

基準局の設定:アンテナの据え付け(全景)01
アンテナの据え付け(全景)上空が開けた、動かない場所
基準局の設定:架台の固定02
架台の固定ボルトなどで固定
基準局の設定:電源・ネット機器03
電源・ネット機器常時電源・WiFi の親機
基準局の設定:簡単設定「RTK基準局」04
簡単設定「RTK基準局」基準局として動かす
基準局の設定:座標の世代05
座標の世代元期を選ぶ
基準局の設定:基準局の座標06
基準局の座標4方式で決めた位置
基準局の設定:受信機の WiFi07
受信機の WiFi2.4GHz の SSID・パスワード
基準局の設定:基準局用キャスターホスト08
基準局用キャスターホストDrogger Ntrip Caster
基準局の設定:起動設定09
起動設定電源を入れたら基準局で動く
基準局の設定:通信状況10
通信状況Running・RTCM3 の番号
基準局の設定:キャスターの管理ページ11
キャスターの管理ページState が Active
基準局の設定:停止の通知メール12
停止の通知メール切断・回復をメールで
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配信・動作確認

Drogger Ntrip Caster host: ntrip1.bizstation.jpport: 2101基準局は8桁のマウントポイントで公開
📷配信状態・テスト画面の写真枠Ntrip Statusの画面、移動局でFIXしたテスト結果などを入れてください。
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国土地理院「民間等電子基準点」への登録

用語制度の正式名称は「民間等電子基準点の登録」です(「認定」ではなく登録)。国土地理院が性能を評価し、等級を付けて登録します。

国土地理院は、GNSS連続観測点(民間の電子基準点)の仕様・基準を統一するため性能基準を定め、2020年(令和2年)4月から「民間等電子基準点の登録制度」を開始しました。登録された局は座標が国家座標系に整合していることが確かめられ、誰もが安心して位置情報に使えるようになります。

等級(グレード)と主な要件

性能に応じて A級・B級・C級 に区分して登録されます(例:2022年9月時点で A級36点・B級19点・C級8点)。国土地理院「民間等電子基準点の性能基準及び登録要領」(令和6年7月改正)の主な要件は次のとおりです。

項目C級B級A級
設置環境(共通)構造による動きが無い/上空が開け、アンテナが他の構造物や地面から1m程度以上離れ、近くに電波の妨げが無い/強風・雨に耐える/地盤が強固で、傾斜地・盛土でない/建物の上ではボルト等で架台を固定
設置環境(追加)―架台を溶接・埋め込みボルト等で直接固定/いたずら等の対策B級の条件+土砂災害・津波の特別警戒区域を避ける/架台はステンレス・コンクリート等/瞬間的な停電の対策/凍上対策/地震等で動かないこと
アンテナ・受信機1級GNSS測量機、または国土地理院が別に定める基準を満たすもの国土地理院に登録された1級GNSS測量機。GPS・準天頂のL1・L2・L5、GLONASSのL1・L2、GalileoのE1・E5を受信/落雷対策
受信機(共通)高度角5度以上の衛星を(見える範囲で)すべて捕捉/GPSのL1+L2 または L1+L5 の搬送波位相を観測/データの取得間隔は1秒が標準
ドロガーで目指すときA級・B級は、アンテナと受信機が国土地理院に登録された1級GNSS測量機であることが条件です。お使いの機器がどの級の条件に当たるかは、申請の前に検定機関や国土地理院の最新の基準で確かめてください。

登録の大まかな流れ

  1. 性能基準を確認上の表の要件(級ごと)を確認し、目指す級を決めます。この工程の写真を入れる
  2. 連続観測・データ取得基準局を安定運用し、観測データ(1秒間隔)をためます。この工程の写真を入れる
  3. 検定を受ける(第三者の検定機関)国土地理院に登録された検定機関が、①書類(受信機・アンテナ・通信装置・無停電電源・避雷器など)②写真(上空と周りの様子。必要なら現地も)③観測データの品質(取得率・マルチパスなど)を確かめます。この工程の写真を入れる
  4. 国土地理院へ申請登録申請書に、局の写真・検定の結果を証明する書類などを添えて出します。観測データの出し方(RTCM3 で NTRIP によりリアルタイム、または RINEX)と、データを第三者へ提供してよいかも書きます。この工程の写真を入れる
  5. 登録簿へ掲載基準に合えば級が付き、「民間等電子基準点登録簿」に載ります。この工程の写真を入れる
  6. 運用・更新観測データを国土地理院へ出し続けます。登録は5年ごとの更新が必要で(満了の1か月前から申請)、3か月以上観測しないと取り消されることがあります。この工程の写真を入れる
実例Drogger RWS で民間等電子基準点に登録した事例が公開されています(桜町測量の解説、いさぼうネットの登録事例など)。具体的な要件・様式は国土地理院の最新の公表内容に従ってください。
注意要件・様式・等級区分・受付状況は変わります。登録を目指す場合は、国土地理院「民間等電子基準点」ページの最新情報(下部リンク)を必ずご確認ください。本ページは概要の紹介です。
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実録・設置ノート(記録テンプレ)

実際の設置を「実録」として残すためのテンプレートです。下の項目を埋め、各工程の写真(上の手順の写真枠)とあわせてご記入ください。

設置の記録

設置日 年 月 日
設置場所(住所・建物・屋上/ポール 等)
使用機種Drogger(     )/アンテナ(     )
ネット接続WiFi AP/ルーター/回線(     )
基準局位置の決め方□単独測位 □他局RTK □スタティック成果
座標系□元期 □今期/成果値(X    Y    H   )
マウントポイント(8桁)     /公開:□あり □なし
動作確認Ntrip Status:□送信OK/移動局テスト:□FIX確認
気づき・課題(マルチパス・電源・通信・安定性 など)
📷実録:完成・全景の写真枠設置完了後の全景、配信中の画面、移動局でのFIX結果などをまとめて記録として残してください。