01
使用するアプリ(紹介と使い方)
ドローン運用では、用途の違う3種類のアプリを使い分けます。「操縦・撮影」「飛行計画・自動航行」「手続き・記録」です。
① 操縦・撮影アプリ
- DJI Fly…Mini/Airなど一般機の操縦・空撮。自動キャリブレーション。
- DJI Pilot 2…Matrice・Enterprise系の業務機。ミッション飛行・RTKに対応。
- 専用アプリ(GS RTK等)…Phantom 4 RTKなど測量特化機で使用。
機種で使うアプリが違います。詳しい操作は DJIの使い方 にまとめています。
② 飛行計画・自動航行アプリ
- 撮影範囲・高度・オーバーラップを設定して自動航行のルートを作るアプリ(機種付属のミッション機能や、対応する飛行計画アプリ)。
- 測量では、ラップ率・地上画素寸法を数値で管理できるものが便利。
③ 手続き・記録アプリ(DIPS2.0 等)
- DIPS2.0…機体登録・許可承認申請・飛行計画の通報の公式窓口(PC/スマホ)。
- 飛行日誌…飛行記録・点検記録を残す(様式や記録アプリ)。記録の詳細。
使い方の要点当日は、①操縦アプリでFIX・機体状態を確認→②計画アプリでミッション実行→③DIPSで飛行計画を通報/終了後に日誌、という三役で回します。アプリのアップデートは前日までに済ませておくと安心です。
📷使用アプリの画面の写真枠操縦アプリのメイン画面、ミッション設定画面、DIPS2.0の画面などの写真を入れてください。
02
飛ばす手順(かなり詳細に)
安全と成果品質のため、手順を「前日の準備→現地の準備→離陸前→飛行→着陸・撤収」に分けて進めます。各工程に写真を入れられます。
A. 前日までの準備
- 法令・許可の確認飛行区域が特定飛行に当たるか、許可・承認や包括申請の範囲内かを確認。必要なら飛行計画を通報。この工程の写真を入れる
- 気象の確認風速・降水・突風・気温を確認。一般に風速5m/s以上は要注意、機体の限界値を超えない範囲で判断。この工程の写真を入れる
- 機材の充電・点検バッテリー全数の充電、プロペラ・機体の外観、SDカードの空き、ファーム更新。機材一式の写真を入れる
- 飛行計画・撮影計画の作成対象範囲・高度(=地上画素寸法)・オーバーラップ率・飛行ルートを設計。標定点の配置も計画。計画画面の写真を入れる
B. 現地に着いたら
- 現地確認・立入管理措置離着陸地点、上空・周囲の障害物、第三者の有無を確認。看板・コーン・ロープで区画を明示。立入管理の様子を入れる
- 標定点・対空標識の設置と観測対空標識を配置し、GNSS(RTK等)で標定点の座標を観測(詳細)。対空標識設置の写真を入れる
- 関係先への周知近隣・管理者・補助者と段取り共有。緊急時の連絡・退避を確認。この工程の写真を入れる
C. 離陸前の点検・設定
- 機体の組み立て・外観点検プロペラの傷・緩み、ジンバル・カメラ、脚部を確認。日常点検記録を記載。点検の写真を入れる
- 電源投入・センサー送信機→機体の順で電源。必要に応じコンパス/IMUキャリブレーション(磁気の強い場所を避ける)。この工程の写真を入れる
- GNSS/RTKの受信確認衛星捕捉・FIXを確認。RTK基準局(D-RTK2やネットワークRTK)と接続、座標系を確認。ステータス画面の写真を入れる
- 飛行設定の確認高度・速度・オーバーラップ・自動航行ルート、RTHの高さ(帰還高度)を障害物より高く設定。設定画面の写真を入れる
D. 飛行
- 離陸・ホバリング確認低空でホバリングし、姿勢の安定・異音・警告がないか確認。離陸の写真を入れる
- 自動航行・撮影計画ルートで撮影。常に目視で監視し、風・バッテリー残量・他の航空機に注意。飛行中の写真を入れる
- バッテリー交換残量が規定を切る前に安全に着陸→交換→続きから再開。この工程の写真を入れる
E. 着陸・撤収
- 着陸・電源オフ機体→送信機の順で電源オフ。プロペラ停止を確認。この工程の写真を入れる
- データの確認・退避撮影枚数・抜け・露出を確認。SDからバックアップ。この工程の写真を入れる
- 撤収・記録対空標識・区画資材を回収。飛行日誌(飛行記録)を記載(詳細)。この工程の写真を入れる
中止の判断強風・降雨・霧・雷、機体の警告、第三者の侵入、電波障害など、少しでも不安があれば飛ばさない・すぐ降ろすのが原則です。無理な飛行は事故と信用失墜に直結します。
02
補助者の有無
補助者は、操縦者が操縦に集中できるよう、周囲の監視・第三者への声かけ・立入管理を担う人です。法的に常に必須というわけではありませんが、飛行の態様や許可条件によって必要になります。
- 必要になりやすい場面…目視外飛行、催し場所上空、広い範囲・道路や人の往来がある場所、許可・承認の条件で指定された場合。
- 不要にできる場面…立入管理措置が確実にでき、操縦者が全周を目視監視できる小規模現場など(ただし機体認証・資格・許可条件による)。
- 補助者の役割…第三者の接近監視と口頭警告、上空・周囲の障害物や他機の監視、風の変化の共有、緊急時の退避誘導。
目視外と補助者「補助者あり目視外」と「補助者なし目視外」では要件が大きく異なります。補助者なしの目視外・第三者上空は最も高度な運用(一等・機体認証・レベル4)で、通常の測量現場では補助者を置いた目視内・立入管理が基本です。
03
現地の目印(対空標識)と世界測地系の整合
ドローンが撮る写真は、そのままでは「絵」にすぎません。成果を正しい座標系(世界測地系・平面直角座標系)に載せるために、地上に標定点(GCP)を置き、上空から見えるよう対空標識で写し込みます。
対空標識は白黒で、+・×・円などの模様。中心が標定点です(当サイト作成の説明図)。
対空標識のポイント(公共測量マニュアル準拠)
- 色は白黒、形は市松(+)・×・☆・円など。中心が明確に読める模様にする。
- 大きさ…写真上で15画素以上に写る大きさ。目安として地上画素寸法の15倍以上の正方形。飛行高度が高い(地上画素寸法が大きい)ほど標識も大きく。
- 設置…動かない・めくれない・影や反射が出にくい場所へ。中心が標定点の真上に来るように。
標定点・検証点の配置
- 標定点(GCP)…対象範囲を囲むように外周+内部に配置。範囲の四隅と中央が基本。
- 検証点…成果の精度を確かめる点。標定点の半数以上を目安に、標定点とは別に配置。
- 各点はGNSS(RTK/スタティック等)で座標を観測。基準は世界測地系(JGD2011)。
世界測地系との整合(ここが要)
ドローン(例:Phantom 4 RTK)が出す座標はWGS84(世界測地系の一種)が基本です。一方、日本の測量成果はJGD2011の平面直角座標系で扱います。両者を正しく結ぶことが、成果を地図・図面に一致させるカギです。
岡山県の場合平面直角座標系は全国を19系に分け、岡山県は第V系です。SfMソフト(Metashape等)で出力座標系をJGD2011 / 平面直角座標系 第V系(EPSG:6673)に設定し、標定点もこの座標で与えます。近隣で系が異なる県と混ぜないよう注意します。
RTK/PPKと標定点RTK/PPKで撮影位置そのものを高精度化すると、必要な標定点数を減らせます。ただし
検証点による精度確認は省かないのが安全です。
元期・今期やジオイド(標高変換)の扱いも忘れずに。
04
記録(飛行日誌)― かなり詳細に
特定飛行を行う場合、飛行日誌の作成・携行が義務です(不備は10万円以下の罰金の対象)。飛行日誌は3つの記録で構成されます。測量の成果管理の観点でも、丁寧な記録は精度・トレーサビリティの裏づけになります。
飛行日誌の3つの記録
飛行記録に書く項目(例)
- 飛行年月日/操縦者氏名/無人航空機の登録記号・型式
- 飛行の目的・概要/飛行させた場所
- 離陸・着陸の時刻と場所/総飛行時間
- 安全に影響のあった事象(ヒヤリハット・警告・接近など)と対応
- (測量)撮影範囲・高度・枚数、標定点・検証点、RTK/基準局・座標系 など成果に必要な情報
運用のコツ飛行記録は現場でその場で付けるのが確実です。国交省の様式(Excel等)を使うか、飛行ログを自動保存するアプリと併用すると抜けを防げます。測量案件では、案件名・成果ファイル名と紐づけて保管すると後の照合が楽になります。
保存飛行日誌は飛行時に携行し、記録は一定期間保存します(求めに応じて提示できるように)。データで残す場合もバックアップを。
📷飛行日誌・様式の記入例の写真枠実際に使っている様式や記入例の写真を入れてください(個人情報はマスキング)。