行政の動き専門家コラム

岡山県内の行政による空き家流通の取り組み

空き家バンクへの登録から、県全体の情報流通システム、市町村独自の支援策まで。岡山県内の行政がどのように空き家の流通を後押ししているかを整理しました。

「空き家バンクに登録すれば売れる・貸せる」と思われがちですが、実際には市町村ごとの制度差や、県全体の仕組みとの連携状況によって、流通のしやすさはかなり変わります。行政がどんな取り組みをしているのかを知っておくと、空き家を手放す・活かすときの選択肢が広がります。

岡山県内の空き家流通は、大きく分けて「①市町村の空き家バンク」「②県全体の情報流通システム(住まいる岡山)」「③空き家管理サービスの登録団体制度」の3つの仕組みで支えられています。

① 空き家バンク・空き家等登録制度とは

空き家バンクは、市町村が窓口となり、「売りたい・貸したい」所有者からの登録を受け付け、移住・定住を希望する利用者に情報を紹介する制度です。岡山県内のほとんどの市町村が何らかの形でこの制度を持っており、物件情報の掲載だけでなく、改修費用や家財処分費用の一部を補助する制度とセットになっているケースも多く見られます。

登録できるのは空き家(建物)だけとは限りません。矢掛町のように「空き家・空き農地・空き地」をまとめて登録対象とし、農地や更地も含めて流通を後押ししている自治体もあります。

② 岡山県全体をつなぐ「住まいる岡山」

「住まいる岡山」は、公益社団法人岡山県宅地建物取引業協会と一般社団法人岡山県不動産協会が共同で運営する、岡山県内最大規模の不動産情報サイトです。県内の不動産会社の多くが加盟しており、通常の売買・賃貸物件に加えて、「岡山県空き家情報流通システム」による空き家バンク物件の特集ページも設けられています。

この仕組みのポイントは、市町村が個別に運営する空き家バンクの情報を、県全体の情報流通システムに連携して掲載できるところです。市町村のサイトだけでは届きにくい層にも、物件情報が届きやすくなります。ただし、すべての市町村がこのシステムに参加しているわけではなく、独自の空き家バンクのみを運営している市町村もあります。

空き家 所有者 登録申込 市町村 空き家バンク (改修・除却補助と セットの場合も) 情報連携 住まいる岡山 岡山県空き家情報 流通システム (県宅建協会×県不動産協会) 閲覧・問合せ 利用 希望者 登録事業者による管理サービス(③)
空き家所有者 → 市町村バンク → 住まいる岡山(県流通システム)→ 利用希望者、という情報の流れ

③ 空き家管理サービスの登録団体制度

「売る・貸すはまだ決めていないが、遠方でこまめに見に行けない」という所有者向けに、空き家の見回り・換気・通水などを代行する「空き家管理サービス」があります。岡山県では、岡山県空家等対策推進協議会が、公益社団法人岡山県宅地建物取引業協会・一般社団法人岡山県不動産協会と協定を結び、両協会に加盟し研修を受けた事業者が管理サービスを提供する体制を整えています。登録事業者は「住まいる岡山」上で確認できます。

この制度がある市町村・団体は限られるため、「管理サービスを使いたいが、どこに頼めばよいか分からない」という場合は、まず住まいる岡山の空き家管理サービスページ、またはお住まいの市町村の空き家相談窓口で確認するのが確実です。

市町村独自の取り組みの一例

空き家バンクの登録に加えて、改修費用や活用にあたっての補助制度を設けている市町村は、岡山県内に数多くあります。ここでは、その一例として矢掛町の取り組みをご紹介します(特定の市町村を推奨する趣旨ではなく、制度の組み合わせ方のイメージとしてご覧ください)。

  • 空き家・空き農地・空き地登録:建物だけでなく農地・更地もあわせて登録できる
  • 矢掛町空き家改修補助金:登録・購入した空き家の改修費用を補助
  • 空き家活用新規創業支援事業補助金:空き家を活用して新たに創業する事業者を支援

同様の改修・除却補助や活用支援の制度は、他の多くの市町村にも用意されています。制度の内容・補助率・上限額・窓口は市町村ごとに異なりますので、お住まいの市町村、または空き家がある市町村の担当窓口に直接お問い合わせください。

(参考)矢掛町の空き家に関する問い合わせ窓口:矢掛町企画課 地域振興係 TEL. 0866-82-1057 MAIL. ijyu@town.yakage.lg.jp(2026年8月時点の公式サイト掲載情報。最新情報は矢掛町公式ホームページでご確認ください。)

市町村ごとの取り組み・比較の目安

岡山県「空き家」ガイドブック等をもとに作成。◎=県の空き家情報流通システム(住まいる岡山)に物件掲載、○=独自の空き家バンクを運営。制度内容・窓口は変更されることがあるため、最新情報は各市町村・岡山県ホームページでご確認ください。
取り組みの種類流通システム参加特徴・備考
県流通システム連携型市町村バンク登録物件が住まいる岡山にも掲載され、県内外から探しやすい
独自バンク運営型市町村独自サイト・広報での掲載が中心。改修・創業補助等とセットのことも
複数制度の組み合わせ型◎/○登録制度+改修補助+創業補助など、複数施策を併用する市町村もある

岡山県はホームページ上で「空き家」ガイドブック(2025年9月版)を公開しており、県内市町村の空き家バンク実施状況(◎・○の別)、改修・除却補助の補助率・上限額の目安、市町村の相談窓口一覧がまとまっています。お住まいの市町村、または空き家がある市町村の具体的な制度・窓口は、このガイドブックと各市町村ホームページで確認するのが最も確実です。

当社の強み ― 「バンクに登録すべきか」「まず不動産会社に相談すべきか」の判断から、境界・現況の整理、登録に必要な資料づくりまでサポートします。制度の使い分けに迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。

よくある質問

住まいる岡山とは何ですか?
公益社団法人岡山県宅地建物取引業協会と一般社団法人岡山県不動産協会が共同運営する、岡山県内最大級の不動産情報サイトです。県内約1,700社の不動産会社が加盟し、空き家バンク物件の特集ページ(岡山県空き家情報流通システム)や、登録事業者による空き家管理サービスの案内も掲載しています。
空き家バンクに登録すれば、住まいる岡山にも自動的に載りますか?
市町村やシステムの参加状況によります。岡山県空き家情報流通システムに参加している市町村であれば、バンク登録物件が住まいる岡山にも掲載される仕組みです。独自バンクのみを運営している市町村もあるため、詳細はお住まいの市町村窓口にご確認ください。
補助金の制度はどの市町村にもありますか?
空き家の改修・除却・活用に関する補助制度は、岡山県内の多くの市町村で用意されています。ただし補助率・上限額・対象条件は市町村ごとに異なるため、詳細はお住まいの市町村、または空き家がある市町村の担当窓口に直接お問い合わせください。

制度が複雑で分かりにくい、そんなときこそご相談ください

空き家バンク・住まいる岡山・自治体独自の補助制度。どれから手をつければよいか、状況に合わせてご提案します。

※本記事は2026年8月時点で公表されている情報をもとに作成した一般的な情報提供です。制度の内容・補助率・窓口は市町村や年度により変更されることがあります。最新の内容は、岡山県・各市町村の公式ホームページ、または住まいる岡山にてご確認ください。

電話 LINE フォーム