登記の流れ案内 / 相続登記

相続登記を自分で申請する
流れと必要書類8ステップを図で。使える無料の道具つき

亡くなった方の名義のままになっている土地・建物を、相続した方の名義に書き換えるのが相続登記です。2024年4月から義務になりました。ご自分で申請するときの順番と、つまずきやすい所をまとめます。

3年以内相続を知った日から
不動産登記法76条の2
10万円以下怠ったときの過料
同法164条
0.4%登録免許税
評価額 × 1000分の4
法務局で確認してくださいこの手順書は一般的な流れです。必要な書類・書き方・添付の省略などは、事情や管轄の法務局によって変わります。申請の前に、必ず管轄の法務局(手続案内は予約制)でご確認ください。
手順書をPDFでダウンロード印刷して法務局へ持って行けます(A4)
登記簿の所有者が、亡くなった方から相続した方に書き換わる図 いまの登記簿 表題部土地 ○○番 宅地 権利部(甲区)所有者亡くなった方のまま 相続登記 登記のあと 表題部土地 ○○番 宅地 権利部(甲区)所有権移転 ○年○月○日相続所有者 相続した方 権利部の名義を書き換える(土地・建物それぞれ)
ROAD MAP

全体の流れ ― 3つの段階・8ステップ

「調べる」「決める」「申請する」の順に進みます。番号を押すと、そのステップへ移ります。

STEP BY STEP

8ステップを図で見る

ここでは、遺産分割協議で1人が取得する場合を中心に説明します。遺言がある場合などは、使う様式と添える書類が変わります。

A

調べる ― 不動産と相続人を、もれなく

登記事項証明書表題部 土地 ○○番権利部(甲区)所有者 父(故人)名寄帳など漏れを防ぐ
STEP 1ご自分で

登記簿で、名義と不動産をすべて確かめる

土地・建物ごとに登記事項証明書を取り、所有者が亡くなった方のままかを見ます。相続する不動産に漏れがあると、あとでもう一度申請することになります。

漏れを防ぐ
市町村の名寄帳(固定資産の一覧)や、2026年2月2日に始まった「所有不動産記録証明書」(法務局)が手がかりになります
建物が無い
建物が登記簿に載っていないときは、先に建物表題登記が要ります
出生……死亡亡くなった方:生まれてから亡くなるまで相続人:いまの戸籍・住民票(住所)本籍地でない窓口でも請求できる(広域交付)
STEP 2ご自分で

戸籍を集める

亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍(除籍・改製原戸籍を含む)と、相続人の今の戸籍、不動産を取得する方の住民票を集めます。

広域交付
2024年3月1日から、本人・配偶者・父母や子などの戸籍は、本籍地でない市区町村の窓口でもまとめて請求できます(兄弟姉妹の戸籍は対象外)
故人配偶者子1/6子1/6子1/61/2配偶者と子3人の例
STEP 3ご自分で

相続人と法定相続分を確かめる

戸籍から、相続人が誰で、法定相続分がどれだけかを確かめます。亡くなった相続人がいれば、その子が代わりに相続する(代襲相続)など、人が広がることがあります。

まとめる図
相続関係説明図を作っておくと、申請のときに戸籍の原本を返してもらう手続きにも使えます

詳細は法務局・司法書士にお問い合わせ下さい

B

決める ― 誰の名義にするか

法定相続情報一覧図の写し番号 ○○○○登記銀行の手続き相続税の申告(受け付けるかは先に確認)
STEP 4ご自分で

法定相続情報一覧図をつくる(任意)

戸籍の束と一覧図を法務局に出すと、相続関係を証明した「法定相続情報一覧図の写し」を無料で出してもらえます。戸籍の束の代わりに使えて、不動産が何か所にもあるときや、銀行の手続きが多いときに便利です。

2024年4月から
不動産の登記の申請では、写しの代わりに「法定相続情報番号」を書けば添付を省けます
相続人全員で遺産分割協議書土地は○○へ
STEP 5ご自分で

誰が取得するかを決める(遺産分割協議)

法定相続分のとおりに共有で登記するか、話し合いで1人が取得するかを決めます。話し合いで決めたときは、遺産分割協議書に相続人全員が署名し、実印で押印して、印鑑証明書を添えます。

遺言があるとき
遺言書の種類(公正証書・自筆)で、使う様式と添える書類が変わります。法務局の記載例にそれぞれの版があります

詳細は法務局・司法書士にお問い合わせ下さい

C

申請する ― 法務局へ出す

登記申請書目的 所有権移転原因 ○年○月相続法務局の記載例申請日に合う版
STEP 6ご自分で

申請書を作る

法務局の様式・記載例を見ながら、登記の目的・原因(○年○月○日相続)・相続人(取得する方)・添付情報・課税価格・登録免許税・不動産の表示を書きます。

様式の版
法務局の相続登記の様式・記載例は、2026年10月5日以降に申請する場合の版が出ています。法定相続分・遺産分割・遺言など、場面ごとに分かれています
添えるもの
戸籍(または法定相続情報)・住民票・遺産分割協議書と印鑑証明書・固定資産の評価証明書など。何が要るかは場面で変わるので、記載例の注意書きで確かめます
評価額 × 0.4%固定資産の評価額をもとに計算収入印紙申請書に貼る(台紙に貼る)
STEP 7ご自分で

登録免許税を計算して納める

相続による所有権移転の登録免許税は、不動産の価額の1000分の4(0.4%)です。固定資産の評価額をもとに計算し、収入印紙で納めるのが一般的です。

かからない場合
①相続で土地を取得した人が登記をしないまま亡くなったとき、その人の名義にする登記 ②価額100万円以下の土地の相続登記 ― どちらも2027年3月31日までの特例です(租税特別措置法84条の2の3)。使うときは申請書にその条文を書きます
法務局登記識別情報通知大切に保管
STEP 8ご自分で

法務局へ申請し、完了の書類を受け取る

窓口・郵送・オンラインのいずれかで申請します。書類に足りない所があると、法務局から直し(補正)の連絡が来ます。完了すると、新しい名義人に登記識別情報通知(いわゆる権利証にあたるもの)が出されます。

完了後
登記事項証明書を取り、名義が変わったことを確かめます。登記識別情報は、売却などのときに使う大切な書類です
申請の前に、法務局で確認ここまでの流れで分からない所や、ご自分の事情に当てはまるか迷う所は、管轄の法務局の手続案内(予約制)で確かめてから申請してください。様式・記載例は、申請する日に合った版を使います。
IF YOU NEED TIME

3年以内に間に合わないとき ― 相続人申告登記

遺産分割の話し合いがまとまらないなど、期限内に相続登記ができないときの方法です。

相続人申告登記をしておき、遺産分割がまとまったら3年以内に相続登記をする流れ 相続を知った日 相続人申告登記(申出) 自分が相続人だと申し出る期限内にすれば義務を果たしたことに 遺産分割がまとまる 相続登記 分割の日から3年以内 相続を知った日 相続人申告登記(申出)期限内にすれば義務を果たしたことに 遺産分割がまとまる 相続登記分割の日から3年以内
相続人申告登記は、名義を書き換える登記ではありません。登記簿に「相続人の一人である」ことが付記されるだけなので、売却などはできません。申出をしたあと遺産分割で取得したときは、分割の日から3年以内に相続登記をします(不動産登記法76条の3)。

詳細は法務局・司法書士にお問い合わせ下さい

WHEN TO ASK

こんなときは、専門家へ

相続人が多い・連絡が取れない方がいる協議書に全員の実印・印鑑証明書がそろわないと進みません。司法書士の分野
名義が祖父母やその前の代のまま相続が重なり(数次相続)、様式も書き方も変わります。司法書士の分野
建物が登記簿に無い相続登記の前に、図面を添えた表題登記が要ります。土地家屋調査士の分野
相続した家を売る・貸す・管理する予定登記と並行して、査定や管理の段取りを進めると手戻りが少なくなります。相続・空き家の窓口(当社)
FAQ

よくある質問

費用はいくらかかりますか?
自分で申請する場合は、登録免許税(評価額の0.4%)と、戸籍・住民票・評価証明書・登記事項証明書などの取得費用です。100万円以下の土地などは登録免許税がかからない特例があります(2027年3月31日まで)。
法定相続分どおりに登記するなら、協議書は要りませんか?
法定相続分どおりに共有で登記する場合は、遺産分割協議書は添えません。ただし共有にすると、あとで売るときに全員の協力が要ります。どちらにするかは家族で話し合って決めます。
遠方の不動産でも申請できますか?
できます。不動産のある場所を受け持つ法務局へ、郵送やオンラインで申請できます。
住所が変わったときの登記も義務になったと聞きました
はい。2026年4月1日から、所有者の住所・氏名が変わったときは、変わった日から2年以内に変更の登記を申請することが義務になりました(不動産登記法76条の5)。相続登記とは別の手続きです。
建物が未登記でした。相続登記はできますか?
建物が登記簿に無いと、建物の相続登記はできません。先に建物表題登記が要ります(建物表題登記の流れ)。

詳細は法務局・司法書士にお問い合わせ下さい

SOURCES

出典(法令・公的資料)

  • 不動産登記法 76条の2(相続登記の申請)・76条の3(相続人申告登記)・76条の5(住所等の変更登記)・119条の2(所有不動産記録証明書)・164条(過料)― e-Gov法令検索
  • 登録免許税法 別表第一 一(二)イ(相続による所有権の移転の登記 1000分の4)― e-Gov法令検索
  • 租税特別措置法 84条の2の3(相続に係る所有権の移転登記等の免税)― e-Gov法令検索
  • 法務局「不動産登記の申請書様式について」(相続登記の様式・記載例)― 法務局
  • 法務局「法定相続情報証明制度について」― 法務局
  • 法務省「不動産を相続した方へ」― 法務省/「戸籍証明書等の広域交付」― 法務省/「所有不動産記録証明制度」― 法務省

確認日 2026年10月27日。法令や様式は改められることがあります。申請の前に、管轄の法務局の最新の案内をご確認ください。

詳細は法務局・司法書士にお問い合わせ下さい

相続した実家、登記のあとはどうしますか

名義を書き換えたあと、売る・貸す・残して管理する。どれがよいかは、家の状態やご家族の事情で変わります。相続した実家・空き家の窓口として、一緒に整理します。ご相談は無料です。

Next step

相続した実家のこと、どこから始めますか。

登記のこと、売る・残すのこと。まだ決まっていなくても大丈夫です。

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